gura says to...

スポーツネタ中心

全曲レビュー「DUNE」

今やバスケットボールの聖地マジソンスクエアガーデン公演を行い、ソロ活動が忙しくてほぼ同窓会状態もたまにライブをやれば超満員札止め。最新シングルは1曲4000円という殿様商売をやっている(これは如何なものか)超ビッグバンドのラルクアンシエルですが、原点はこのインディーズアルバムにあります。

実はこの「DUNE」、オリジナルバージョンを高校生の頃(15年ぐらい前かな)にブックオフで買って聞いたことがあったのですが、ジャケットが怖いのと、メンバーの写真が怖いのと(笑)、歌詞が怖いのと、音質が悪くて曲にもピンとこなかった等の理由により、あまり聴かずにすぐに売ってしまいました。多感な時期だったので、ヴィジュアルインパクトが強烈過ぎて、純粋に音楽を楽しめなかったのですね。

デビュー10周年記念として2003年にリマスター版が発売されてもその時はスルー。それから洋楽邦楽問わずいろんなロックを聴きましたが、一周まわって原点回帰。改めて購入してじっくりと聞いてみたのであります。この新ジャケットは結構趣味がいいですね。アルバムのイメージにぴったりです。またデジタルリマスターということで、音質がぐっと良くなりました。歌声と楽器の音がクリアに際立っており、曲の魅力も増してます。

1 Shutting from the sky (作曲:hiro) ★★★★★
アルバムのオープニングにふさわしい、限りない拡がりを感じさせる爽快なナンバー。「あれ?この曲ってこんなに良かったっけ?」というのが正直な印象。これもリマスター効果か。作曲はL'Arcとなってますが、原曲は前のギタリストhiroの作品らしい。

2 Voice (作曲:Ken) ★★★★★
Kenの才能が炸裂した完璧なナンバー。この曲の構成は凄いですよ、1曲目とのつながりもいいし。オリジナル版ではボーカルが篭っていて聴きづらかったと思うんですが、普通に聴きやすくなってます。

3 Taste of love (作曲:Ken) ★★★★★
まずはイントロのベースが超カッコいい。そこに絡んでくるギターもカッコいい。(ギターソロもいい)tetsu氏は当時からリードベースですな。演奏のカッコよさが目立つ曲ですが、おどろおどろしい歌詞は怖い(笑)。

4 Entichers (作曲:hyde) ★★★
今ではバンドで随一のソングライターぶりを発揮しているhydeですが、このアルバムでの作曲はこの1曲のみ。ヘビーな楽曲の中でいい箸休めになってるんじゃいでしょうか。

5 Flood of tears (作曲:tetsu) ★★★★
当時からこんなポップな曲もあったんですね。疾走感のあるAメロ→Bメロはかなりいい感じなんですが、サビがいま一つなのと、ちょっと尺を引っ張りすぎてしつこい印象も受けます。一曲にいろいろ詰め込みすぎかと。曲の入りがかなり良いので勿体ないですね。

6 Dune (作曲:tetsu) ★★★★
イントロのガラスが割れる音が印象的な表題曲。tetsu曰く「2曲を1曲にまとめた」らしく、展開がコロコロと変わります。これは前の曲と同じで、ちょっとだれちゃうんだよなー。メロ>サビなのも前の曲といっしょ。

7 Be destinied (作曲:Ken) ★★★★★
「なんじゃこのカッコいい曲は!?」と思わずビックリしたナンバー。3曲目もそうですけど、いろいろ聴いてからだとこういうシンプルなハードロックがとても良く感じます。イントロのギターとベースで全て持って行かれます。歌詞は凄いですね(笑)これ。

8 追憶の情景 (作曲:hiro?) ★★★★
これもhiroさんの作曲なのかな?悪くはない曲なのですがちょっと印象薄いかも。ヴィジュアル系ロックのお手本ともいえる耽美的、ダークな雰囲気をもったナンバーです。

9 As if in a dream (作曲:Ken) ★★★★★
hyde曰く「ラルク史上最高の曲で、この曲を超えることができない」というほどの名曲。確かにこの曲の完成度はズバ抜けてますね。無機質なんだけど幻想的な雰囲気で、夢と現実の狭間にいるような感覚になります。なんとも形容しがたい不思議な曲です。昔聴いたときも、これだけは印象に残っていたような。

10 失われた眺め (作曲:Ken) ★★★
エピローグはしんみりと盛り上がるこの曲。

ボーナストラック3曲の中では「予感」が良いですね。ダークでポップ。アルバムの全10曲中、Kenの曲が5曲を占めますがこれが全て名曲。この頃のKenの作曲センスは本当に凄い。後にhydeやtetsu曲の割合が増えていきますが、やっぱり最もラルクらしい曲を作るのはKenですね。改めてその才能を感じました。

これでインディーズというのがとにかく信じられないほどの完成度。最近よく聴いてるLUNA SEAの初期と比べてもやっぱりこっちが良いかなあ。V系だからと敬遠せず、ロック好きにはぜひじっくり味わってもらいたい名作だと思います。









↑1993年のオリジナル版  ↑10周年記念リマスター版