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スペインリーグ2020 総括

コロナウイルスの蔓延で長らく中断していたものの、無事に再開し、全38試合を完結したリーガ・エスパニョーラを振り返る。

 

1位 レアル・マドリード 勝点:87 評価:A

ジダン監督が復帰のレアルですが、僅か一年でガタガタだったチームを立て直したのは見事という他ないですね。新戦力の目玉、アザールはほとんど使い物にならず、ベイル、ハメス・ロドリゲスといった不満分子を抱えながらも、手持ちの駒でやりくり上手な起用法が光りました。MVPはディフェンダーながら11得点をあげたセルヒオ・ラモス。リーガ最小の25失点という守備も見事に統率しました。

 

2位 バルセロナ 勝点:82 評価:D

無敵のスカッドグリーズマンが加入し、A.ファティといった新星も現れた今季でしたが、勝ち点の差以上にレアルとは差があったように思われます。最大の焦点は、バルベルデ監督を切ってセティエン監督を招へいしたこと。首位にいた時にわざわざ監督を交代させた判断は正しかったのか、今となっては疑問です。再開後はあっという間にレアルに離され、最大で勝点7差を付けられる完敗でした。

 

3位 アトレティコ・マドリード 勝点:70 評価:D

2強の前評判が高くなかった今季は優勝のチャンスもあったはずですが、優勝争いに一度も絡むことなく終戦。総得点51は寂しい限りで、リーガ最多の16引き分けで勝ち点をどんどん取りこぼしていきました。伝統の堅い守備は健在だっただけに、モラタ、D.コスタなどストライカーの不発が最後まで尾を引きました。

 

4位 セビージャ 勝点:70 評価:C

新任のロペテギ監督にとっては汚名返上のまたとないチャンスのシーズンで、勝点70の4位、CL出場権獲得と最低限の結果は残しました。とはいえ因縁(?)の古巣、レアルとの2試合はいずれも完敗。選手も含めこの相手には意地を見せてほしかった。序盤に首位争いにも絡みましたが、ここぞという大事な一戦はことごとく落とし、勝負弱さを感じさせたことは否めません。

 

5位 ビジャレアル 勝点:60 評価:B

昨シーズンはまさかの残留争いに巻き込まれましたが、今季は本来の実力を発揮。この順位も実力にふさわしいものです。再任のカジェハ監督は同じ轍は踏みませんでした。エースのジェラールが18得点と実力を発揮し、S.カソルラアルビオルといったベテランも非常に元気で、平均年齢が高めのチームを見事に引っぱりました。来季は再び欧州の舞台へ返り咲きます。

 

6位 レアル・ソシエダ 勝点:56 評価:B

主力の若返りを図ったシーズンでしたが、一時期は首位にも立ち、順位の方でも結果を残しました。若くて将来性のあるオジャルサバル、ウーデゴーあたりは引く手あまたで移籍もやむなしかもしれませんが、それでもメリーノ、スベルディアゲバラなど次の若手が次々と台頭してくるあたりに頼もしさを感じさせます。

 

7位 グラナダ 勝点:56 評価:S

今シーズンのナンバー1サプライズチームであり、成功をおさめたチームといえます。ソルダード、ラモス、マチスらを加えたFW陣は実績十分でしたが、MF以下は2部を戦ったメンバーが中心で、特にビッグネームもなく、チーム一丸で戦った成果です。リーガ序盤~中盤にかけて首位に立つなどインパクト十分で、後半失速することなくむしろ盛り返し、最終的にEL出場権を獲得するとは見事というしかありません。

 

8位 ヘタフェ 勝点:54 評価:C

昨シーズンの5位に比べればやや後退ですが、勝点54は立派です。地方のクラブが欧州リーグに参戦するとそのスケジュールのきつさ、選手層の薄さから自国リーグで低迷する(今季のエスパニョールが典型的)ことが常ですが、そういうこともなく、守備とハードワークが基本のヘタフェらしさを最後まで貫きました。

 

9位 バレンシア 勝点53 評価:D

戦力的にはトップ4に入って当然ながら、またもや中位へと後退しました。昨シーズンチームを4位に導いたマルセリーノ監督を開幕数試合で解任。気まぐれなオーナーをはじめ、フロントの責任は重大です。昇格組のマジョルカ相手に4失点大敗した試合などが、不安定な戦いに終始した今季を象徴する試合でした。

 

10位 オサスナ 勝点52 評価:A

グラナダと共にリーガに爽やかな風を吹き込む戦いぶりでした。戦力的にはマジョルカと並び最低レベルでしたが、質実剛健、ハードワークを基本とする伝統的な戦い方を貫き、全く危なげなく残留を勝ち取りました。スペインの華やかさとは無縁の泥臭いチームが1チームぐらいあるといいものです。

 

11位 アスレチック・ビルバオ 勝点:51 評価:D

バスク地方のライバルR.ソシエダに水を開けられる結果となりました。バルサを破った開幕戦は最高のスタートでしたが、その後は勝ちきれず、総得点41という貧打も解消されず。ベテランMFのラウル・ガルシアの15得点はお見事ですが、FW陣が揃いも揃って鳴かず飛ばず。かつてのF.ジョレンテのような本格派CFが頭角を現してきてほしいものです。

 

12位 レバンテ 勝点:49 評価:C

クセ者レバンテにはこれぐらいの順位がふさわしいのかもしれません。今季もバルサ、レアル相手に完勝するなど、相変わらずのジャイアントキリングぶりを披露。かと思えば格下のチームにあっさり負けるなど強いのか弱いのかよくわかりません。上位陣にとっては本当にやりにくい嫌なチームだと思いますが、もう少し安定感がほしいです。

 

13位 レアル・バリャドリッド 勝点:42 評価:B

積み上げた15もの引き分け(リーガ2位)がこのチームのしぶとさを物語ります。リーガで下から3番目の32得点という貧打も戦前の予想通り。スコアレスドロー6試合は勘弁してくれとも言いたくなりますが、残留するためにできることは全てやった感がありその徹底したリアリストぶりは潔さすら感じさせます。

 

14位 エイバル 勝点:42 評価:C

年々苦戦してきている気がしますが、今季もしぶとく残留を勝ち取りました。人口2万7千人の町のチームにとっては、世界最高峰のリーガ1部残留自体が快挙です。メンディリバル監督体制も長いですが、変革はあり得るのでしょうか。毎年恒例の、オフの主力流出は避けたいです。

 

15位 レアル・ベティス 勝点:41 評価:E

今シーズンのもっともガッカリなチームの一つ。中盤にあれほどのタレントを要しながら、FW陣は決定力不足、貧弱な最終ラインの守備が崩壊し、リーガワースト2位の60失点はひどすぎます。ルビ監督と共に加入したイグレシアスは全くなじまずに昨シーズンの17ゴールから、今季はわずか3ゴールと沈黙。残留ゾーンに片足がつかるこの低迷をだれが予想できたか。

 

16位 アラベス 勝点:39 評価:D

シーズン通して安定飛行をしていましたが、中断・再開後には全く勝てなくなりズルズルと順位を下げていきました。再開後の成績はリーガ最低では?それでも残留できたという結果が全て。これで来シーズンも、狭いバスク州内で4チームがリーガ1部で戦うことになります。これは凄いかも。

 

17位 セルタ 勝点:37 評価:E

まさか昨シーズン以上に青息吐息で残留を勝ち取ることになるとは。38試合で僅か7勝しかできず、16もの引き分けの山を築き残留できたことは逆に凄いかも。レガネスの終盤の追い上げから、降格濃厚の雰囲気が漂っていただけに、残留できたのは運が良かったのかもしれません。ベティスもそうですが、そんな戦力ではないはずですが。

 

18位 レガネス 勝点:36 評価:C

シーズン半ばにしてほぼ降格が濃厚、さらにバルサからエースのブライトバイトを理不尽に引き抜かれ、ほぼシーズンは終了したかと思われました。しかし決して諦めないこのチームは、シーズン終盤に劇的な勝利を重ねます。そして最終節には王者レアルを相手に2-2の大健闘もむなしく、奇跡の残留とはなりませんでした。

 

19位 マジョルカ 勝点:33 評価:C

久保君の活躍で非常に注目を集めた今シーズン。レアル、バレンシア相手に勝利を収めるなど、他の下位チームに比べると派手で印象に残る戦いぶりでした。久保君は本当にうまいけど、コーチが差別的なジェスチャーをするなど、アジア人差別が存在する残念なチーム(土地柄)という悪い面でも目立ってしまいました。

 

20位 エスパニョール 勝点:25 評価:E

望外のEL出場権獲得のツケが回ってきた不幸な降格です。シーズンオフは補強どころか逆にエースを引き抜かれ、戦力を落としてしまいました。長らくバルセロナ第2のクラブとしてリーガ1部を戦った歴史あるチームが、20年以上ぶりに2部へと落ちることになりました。今季は全くいいところがなく、文句なしの最下位です。