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なかじまさん

中島義道氏の「私の嫌いな10の言葉」(新潮文庫)を読んでます。なかなか痛快。普段思っても言えないようなことをズバズバと言ってくれるので、ストレス解消にもなります。中島氏が嫌うのは、日本特有のノン・バーバルコミュニケーション。場の空気を読む、長いものに巻かれる、ホンネとタテマエといったものです。哲学者として言葉の力を信じているからこそ、「言わんでもわかるやろ」的な雰囲気を「狡猾」「暴力」とまで言って徹底的に凶弾する。世間の人が見たら「超偏屈で気難しいおじさん」って感じなんでしょうけど、世の中にこういう人も必要だと思います。
 
10の言葉の中で、おそらく中島氏が一番嫌っているのは「おまえのためを思って言ってるんだぞ!」じゃないかと思います。この言葉がダメな理由を中島氏はこう指摘します。
「お前のためを思って…」と言っている人(A)に対して、そう言われている人(B)が、逆に「あなた(A)のためを思って申し上げますと…」と言ったら、Aはビックリして激怒するだろうとのこと。その通りなんですね。「お前のためを…」なんてセリフ、「自分の方が上の立場なんだ」という傲慢さがなかったらとても言えませんよ。言われてみればとんでもない言葉だと思う。
全体的にそんなに難しい内容じゃなくて、読みやすい本ですよ。笑える箇所もけっこうある。たとえば「NHKのど自慢を見てると、息が詰まって吐き気がしてくる」とか。「じゃあ見なきゃいいじゃん」と思わず突っ込みたくなる(^^;) でも土屋賢二を悪く言うのはやめてもらおうか!
 
ついでに私(gura)の嫌いな10の言葉も列挙しておこう。
①「そんなの常識でしょ」 これを言う人って何も考えてない。
②「だからダメなんだよ」 何がダメなんでしょうか?
③「○○せんとあかん」 「○○したほうがいい」って言えないの?
④「そんなこと気にするな」 ムリです。
⑤「話にならんな」 その言葉、そっくりお返しします。
⑥「意見を言いなさい」 聞く耳をもたない人には言わない。
⑦「持ち帰って検討します」 はっきりと断ればいいのに。
⑧「娑婆はそんなに甘くない」 これも思考停止の一種。
⑨「楽しくやろう。楽しく!」 「楽しい」という言葉でごまかさないで。
⑩「そうですね、そうですね」 反論する勇気を持とう。
 
話は変わりますが、広島カープが巨人相手に13対1で勝ちました。急にどうしちゃったの。ひょっとしてボールがまた変わった?鯉のぼりの季節になると強いのか。これをきっかけに打線が活気づくといいなあ。