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(2勝30敗という)絶望 に効く薬はない

久しぶりに本の紹介。

山田玲司著「絶望に効くクスリ」(1)~(3)(小学館文庫)を読みました。

この山田玲司という漫画家は、はっきり言って絵はヘタなんですが、インタビューアーとしてはかなり上手いというかなかなかの聞き手だと思います。インタビューしている相手もかなり名の知れた人が多いんですけど、臆せずにどんどん突っ込んで本音を引き出している感じなんですよ。失礼ですが、この作風だとヘタな絵もあまり気にならない。

(1)巻はなかなかマニアックな人選というか、おそらく山田氏の好みだったり、顔見知りもいたりするんでしょうけど、(2)巻からはもう超がつく大物ばっかり。オノ・ヨーコとか、オリバー・ストーン(!)相手の単独インタビューとか凄いですよね。で、やっぱしこういった大物相手の方がインタビューも内容が濃くて面白いと思います。

中でも最大のヒットは、山田氏も自分で言ってますけど、絵本作家の五味太郎氏。顔はなんとなく見たことがあって、なんか尖った雰囲気を感じる顔つきなんですけど、この漫画で描かれる五味氏はまあ尖ってる尖ってる(笑)かなり個性的な人物で、一気にファンになりました。昔子どもだった頃には五味さんの絵本にはお世話になりましたが、なんとなく気の優しいおじさんが描いているイメージがあったので、ちょっと衝撃ですね。学校と管理社会が大嫌いなようで、非常に共感できる部分が多いですよ。

山田玲司さんのことを知ったのは「非属の才能」という新書本だったのですが、これもなかなか良かったです。もう漫画家よりインタビュアー兼ノンフィクション作家としてやっていったらどうでっしゃろ。まあ、いくら絵が綺麗でも内容が全くない漫画よりは、よっぽど面白いことは確かです。